ランドセル選びをする時に大事なポイントの一つが”素材”です。昔からよく聞くランドセルの素材は牛革が多いですよね。最近ではクラリーノ(人工皮革)もよく聞くかと思います。
実際のところ、素材が違うと何が違うの?と思われる方が多いと思います。今日は、ランドセルの素材について、特徴や価格の違いなどについて書いていきたいと思います。
目 次
ランドセルの素材って何があるの?
ランドセル選びをする際に、選ぶ基準となるものに『素材』があると思います。というのも、『素材』によってランドセルの価格であったり重さに連動していることが多いからです。
つまり、『素材』を決めることである程度の価格帯が決まり、重さを決めることができるのです。
ランドセルの素材は、主に3種類あります。コードバン(馬革)、牛革、人工皮革の3種類です。
コードバン | 牛革 | 人工皮革 | |
重さ | 1,400~1,500g | 1,300~1,400g | 1,000~1,200g |
価格 | 10~15万円 | 6~9万円 | 2~6万円 |
利用者数 | |||
バリエーション | |||
耐久性 | |||
耐水性 |
ランドセルの3つの素材の特徴を解説していきます
3つの素材のおおまかな違いは、上で解説した通りです。さらに詳しい解説、具体的にどんなランドセルがあるのかを見ていきましょう。
コードバン
コードバンは馬のお尻の部分をなめした革素材になります。馬一頭あたりランドセルのかぶせ2枚分しか取れないので、非常に希少な素材と言われています。その分、価格も高くなっています。
メリット | デメリット |
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コードバンを検討されている方にチェックしてもらいたい点があります。かぶせも本体もコードバンのものもあれば、かぶせだけがコードバンである場合もあります。そうなると重さや価格も大きく変わってきます。
コードバン マエストロ | コードバン プレステージ |
かぶせ:コードバン 本体:コードバン |
かぶせ:コードバン 本体:牛革 |
220,000円(税込) | 115,000円(税込) |
約1,690g | 約1,490g |
※画像出典:モギカバン公式サイト
コードバンランドセルに強いこだわりを持っている『モギカバン』のランドセルを比較してみました。
コードバン マエストロはかぶせも本体もコードバン素材を採用。一方、コードバン プレステージはかぶせのみコードバンとなっています。そうなると、価格もかなり差がありますし、重さも200gの差があります。
コードバンランドセルを検討する際は、こういった点にも注目しながら選ぶことをおすすめします。
牛革
以前はランドセルと言えば「牛革」というのが主流でした。しかし、今は優れた人工皮革が登場したことにより割合的にも少なくなってきています。
とは言え、牛革だからこその風合いであったり丈夫さに魅かれて牛革ランドセルを選択する方も少なくはありません。
メリット | デメリット |
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実は、牛革の種類やカラーバリエーションがとても増えてきています。
牛革のランドセルを探してみると、「カーフレザー」とか「牛革スムース」とか「牛革ボルサ」と言った言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
「カーフレザー」は牛革の種類になります。それ以外の「牛革スムース」や「牛革ボルサ」などは加工方法になります。
カーフレザーと牛革
販売している数もかなり少ないですが「カーフレザー」のランドセルがあります。「カーフレザー」と「牛革」の違いは何なのでしょうか?下の表は大峡製鞄から販売されているカーフレザーと牛革のランドセルです。
ヨーロピアンカーフ | 牛革 |
主素材:子牛革 背裏:牛革 肩ベルト素材:表・人工皮革、裏・牛革 かぶせ裏素材:人工皮革 内装素材:人工皮革 |
主素材:牛革スーパータフ 背裏:牛革 |
102,300円(税込) | 75,900円(税込) |
約1,340g | 約1,340g |
※画像出典:三越伊勢丹オンライン
「カーフレザー」とは、一番若い生後6か月程の仔牛の革になります。希少価値が高い革です。このカーフレザーの特徴は、手触りが良く繊維が細かいことにあります。
一方、いわゆる「牛革」とは、「ステアハイド」と呼ばれるもので生後3~6ヶ月のうちに去勢した2歳以上の雄の牛になります。
カーフレザーを使ったランドセルを販売しているメーカーはわずかで有名なところは大峡製鞄になります。
牛革スムースと牛革ボルサ
下の表はモギカバンから販売されている牛革スムースと牛革ボルサのランドセルです。
たくみ プレステージ スムース | たくみ プレステージ ボルサ |
牛革スムース | 牛革ボルサ |
88,000円(税込) | 82,500円(税込) |
約1,490g | 約1,400g |
※画像出典:モギカバン公式サイト
「牛革スムース」とは、表面が滑らかで美しい光沢のある牛革になります。手触りがよいですが、傷が目立ちやすいというデメリットもあります。
一方、「牛革ボルサ」ですが、メーカーによっては「シボ加工」と表記している場合があります。表面がザラザラした風合の牛革になります。傷が目立ちにくく、耐久性に優れているのが特徴です。
人工皮革
「人工皮革」とは、ナイロンやポリエステルなどの不織布素材に、表面をポリ塩化ビニルやポリウレタン樹脂などの合成樹脂でコーティングしたものになります。
人工皮革のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
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人工皮革は、各社独自の製品を展開しています。ランドセルでよく耳にする”クラリーノ”はクラレが開発した人工皮革になります。人工皮革と言っても様々な種類があるのです。
天然皮革の性質や特徴を人工的に再現しているのが人工皮革になります。最近では、天然皮革に近いものも開発されているようです。
素材 | 開発元 | 特徴 | 採用している メーカー |
クラリーノ | クラレ | 雨や汚れに強く、軽くて丈夫 | 土屋鞄 セイバン |
コードレ | 帝人コードレ | 軽くて丈夫、通気機能にも優れている | 堀江鞄製造 リコモン |
タフガード | 帝人コードレ | 丈夫で手入れが容易 | |
アンジュエール |
セイバンとFILWEL の共同開発 |
ツヤのある表面仕上げ。シボ加工なので、細かなキズが目立ちにくい。 | セイバン |
ベルバイオ | FILWEL | 本革のような質感で傷がつきにくい | 池田屋 |
エクセーヌクラッセ | 東レ | 手入れが容易で傷がつきにくい | |
エヌアール | 東レ | 耐久性に優れている |
ランドセルの素材選びのポイント
ランドセルの素材の特徴を踏まえて、実際に選ぶ時にどのポイントを重視すべきなのか解説していきます。
実際に購入されている素材別の割合は?
上記は、実際に購入したランドセルのうち素材ごとの内訳はどうなっているのかを示したグラフです。
クラリーノが全体の約40%、牛革が約20%、馬革は5%弱です。やはり、クラリーノの割合が多いようです。
素材選びで重視すべきことは?
では、実際にランドセルを選ぶ時に素材をどれほど重視すべきかです。
「牛革がいい!」とか「クラリーノがいい!」という場合は、その方向でランドセル選びを進めればいいと思います。
そうでない場合は、価格設定とランドセルの重さにポイントを置くと自ずと選ぶべき素材が決まってくると思います。
なるべく安価ですませたい、もしくは軽いもの求めるなら人口皮革をおすすめします。特に価格や重さに重きを置く必要のない場合は、質感や丈夫さで牛革をおすすめします。
背当て・肩ベルトの素材
「ランドセルの素材」と言えば主にかぶせ部分や本体部分の素材を指していると思います。しかし、ランドセルはそれ以外にも大切なパーツがあります。
体に直接接する部分になる背当てや肩ベルトがあります。直接触れるのでより素材にこだわりたくなる箇所かもしれません。
背当てや肩ベルトには、かぶせ同様に牛革や人工皮革などメーカーによって採用しているものが異なります。また、同じメーカーでもランドセルのモデルによって異なる場合もあります。
セイバンの背当てや肩ベルト素材
セイバンのランドセルはモデルによって背当てや肩ベルト素材が異なります。
ホマレ プレミアムレザー | モデルロイヤル クリスタル | スゴ軽 エアー |
主素材:牛革 背中:牛革 肩ベルト裏:牛革 |
主素材:アンジュエール グロス 背中:ブレスレザー® 肩ベルト裏:ブレスレザー® |
主素材:クラリーノ® エフ 「レインガード® Fα」 背中:クラリーノ® ハイキー® ネオ 肩ベルト裏:クラリーノ® ハイキー® ネオ |
82,500円(税込) | 71,500円(税込) | 62,700円(税込) |
約1,470g | 約1,290g | 約990g |
※画像出典:セイバン公式サイト
「ブレスレザー®」とは、東洋紡(株)が開発した素材で、吸湿と放湿を繰り返す特殊な素材です。べたつかずサラサラした触感が特長になります。
「クラリーノ® ハイキー® ネオ」は、軽くて水や汚れにも強いお手入れ簡単な素材になります。カラーバリエーションが豊富で発色性が美しいことが特長です。
堀江鞄製造の背当て
堀江鞄製造のランドセルもモデルによって背当ての素材が異なります。
エスポワールダスティアンティーク | シャルマンダスティアンティーク |
主素材:本革牛革ボルサ 背中:ソフト牛革 |
主素材:人工皮革(テイジンコードレ) 背中:テイジンエアリー |
62,000円(税込) | 52,000円(税込) |
約1,420g | 約1,230g |
※画像出典:堀江鞄製造公式サイト
「エアリー®」とは、帝人コードレ(株)が開発した素材になります。通気性に優れた素材です。背あてに使用することで、蒸れを防いでくれるのが特長です。
ランドセルの素材のまとめ
ランドセルの素材は主にコードバン、牛革、人工皮革の3種類です。それぞれに特徴がありますが、価格と重さが大きく違ってきます。
ランドセル選びの際には、この2点を意識すると自ずと選ぶ素材も決まってくるかと思います。